【第20回 数学カフェ】トロピカル幾何学に参加してきました。

7/23 (日)に【第20回 数学カフェ】トロピカル幾何学に参加してきました。

connpass.com

会場はNTTデータ数理システム。実は私、この会社に何年か前に新卒として入社して数年ほどお世話になったことがあります(そのときはNTTデータ傘下ではなく、場所も信濃町ではなかったですが) 会場入りすると前に比べて断然広いセミナールームに驚きを隠せませんでした。

会場についての感想についてはここまでにして早速セミナーの中身についてのまとめに行きます。

今回の講師は東大数理の植田先生。

1. 代数幾何について

いきなりトロピカル半環の定義…と行かずにまずは代数幾何の初歩的な定義から。多項式環の零点集合を代数多様体と定義して…というところから。いきなりトロピカル半環の定義から入るとモチベーションがちょっと下がっちゃうからだろうか。 事前に

http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~ishikawa/tropical/ishikawa-tropical07.pdf

とかのぞいていたのですが、これだけだと背景は分かり辛いですね。。。

副次的なメリットとして代数多様体についての議論についていい復習になったということでしょうか。 (が、脱線がすごく、しかも脱線した時の話の中身がもう大学院のセミプロしかわからないようなものばかりでしたよ…?)

この代数多様体の話がだいたい全講義の3分の2の時間を費やしましたね。。

あと、ここでちょっと面白いと思った定理は「任意の有限生成k代数はあるk多項式の剰余環と同型である」というHilbertの定理。これまで数学では構造的に証明されてたものが初めて論理だけ(非構造的だけど)で証明したとかなんとか。

2. トロピカル半環とアメーバについて

トロピカル半環の例と零点集合の定義と例、アメーバの定理について話されました。トロピカル幾何においては+をmaxで定義してもminで定義しても本質的には変わらないんだという感じでした。 …が私の数学力がないせいか、ここから先は十分な感想を書けずじまい。。。

その後…

結局、半分以上脱線していたがなかなか面白かったです。ただ、このトロピカル半環(およびトロピカル幾何)は実社会、応用数理ではどう役に立つのかは知りたかったですね。でも、この辺ってまだ応用には未開拓なんでしょうか。 トロピカル代数自体はルート検索のアルゴリズムでよく知られているワーシャル-フロイド法の数学的定式化にも使われているとか。

proc-cpuinfo.fixstars.com

その後、懇親会にも参加。ペルー料理を堪能しました。そこで岩沢理論についての話と数理物理についての話をちらっとさせていただきました。

まとめと所感

トロピカル半環自体は定義は難しくないのですが、背景とかトロピカル幾何になってくるとだいぶ難しさ度合いが変わってくるなという印象でした。このトロピカルという考え方は実社会で活かせるのだろうか?というのもちょっと考えてみたりしています。。。